「ここ数年はあまりない」鷹一筋17年目・明石が語る3年ぶりリーグVへの“手応え”
優勝経験豊富なベテランから見た“チームのいま”
これまでに優勝争いを数多く経験してきた明石は、2位に5.5ゲーム差をつけて首位を走るチームの雰囲気をどう見るのか。
「いいんじゃないですか。ここ数年はあまりないんじゃないですか。(シーズンの)最後の方は負け越す方が多かったので、これまでとは違った終盤戦かなと思います。前までは負けて『やばい、やばい』って言いながらゲーム差がなくなってきて、という感じでしたからね。9月に負け越すことも多かったですし。今は大型連勝もできているので、それはでかいと思います」
優勝争いを展開するチームからは「相手のことは気にせずに」という言葉が聞かれることが多いが、明石は「気にするなと言われても絶対に気にするんで」と笑いながら本音を明かす。「でも、チームが勝っていればゲーム差は縮まらない。まずはやれることをやって、それで負けたら仕方ない」と、目の前の一戦に全力を尽くすことだけを考える。
明石の殊勲打をベンチ前で総出になって祝福する光景からもチームのいい雰囲気は伝わってくる。工藤監督は「明石君の一打がイケイケのムードを作ってくれた」と称えたが、その工藤監督は試合前の練習時に多くの選手に声をかけている。若手はもちろんのこと、ベテランにも自分から近づいて行って、その日の調子を確かめる。この日もケージ横でフリー打撃に備える明石の背中を叩きながら話しかける姿が見られた。このような何気ないコミュニケーションも、チームのいい雰囲気を作り出す要因になっているようだ。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)