オリ吉田正、イチロー以来の生え抜き首位打者へ データに示された類稀なる数字
安定してハイレベルな成績を続け、今やオリックスの打の顔と呼べる存在に
2019年に引き続いて2年連続でパ・リーグの首位打者争いに加わっている、オリックスの吉田正尚。2018年から2年続けて全試合に出場しながら打率.320以上を記録しており、その打撃の安定感はリーグ屈指だ。今季も開幕直後は打率.200を切る時期もあったが、7月に入ってから大きく復調し、現在は首位打者を争うレベルまで成績を伸ばしてきた。こういった修正能力の高さも、吉田正の優れた能力の賜物であろう。
青山学院大学からドラフト1位でプロ入りして5年目、7月15日に27歳になったが、オリックス打線の不動の3番あるいはアダム・ジョーンズ離脱後の4番として、今やチームの打の顔と呼べる存在の吉田正。今回は、そんな吉田正のどんな部分が打者として優れているのかを、各種の数字や、実際のデータに基づいて分析。その結果を紹介するとともに、類まれなスケールの大きさを秘めた強打者の魅力に迫っていきたい。(※成績は2020年10月19日時点)
2018年8月15日の西武戦ではバットを折りながら打球をスタンドまで運んだように、一目見るだけで多くの人の印象に残るであろう、力感にあふれるフルスイングが吉田正が持つ最大の魅力の一つだ。数字の上でも昨季は29本塁打を記録しており、30本の大台まであと一歩という数字に。173センチ・85キロとプロ野球としては決して大柄とは言えないものの、そのスイングと打球は強烈なインパクトを持ち合わせている。
それでいて、ただ振り回すだけというわけではなく、きっちりと高い打率も残すという点は、吉田正が持つ並外れた打撃センスの表れだ。プロ2年目の2017年以降、打率は3年連続で.310を超えており、並外れたフルスイングと優秀な安定感を両立させている。昨季は森友哉(西武)との熾烈な首位打者争いの末に惜しくもタイトルを逃したが、例年以上に高い打率を残している今季は、自身初のリーディングヒッター獲得にも期待だ。