今からなれる日本代表! 新競技「Baseball5」を公認インストラクター六角彩子が解説

Tシャツ、短パン、スニーカーというラフな服装で手軽にプレーできるBaseball5【写真提供:WBSC】
Tシャツ、短パン、スニーカーというラフな服装で手軽にプレーできるBaseball5【写真提供:WBSC】

野球初心者でも経験者でも競技層を選ばず 今からでも間に合う日本代表の座

 これまで行ってきたイベントでは、すでに野球をしている子どもたちが対象となることが多かったが、サッカーやバスケットボールなど他競技に親しむ子どもたちにも是非体験してほしいという。それというのも、Baseball5が新競技として楽しめると同時に、どの競技にも必要な俊敏性や判断力を養うことに優れているからだ。

「野球に限らず、いろいろなスポーツのウォーミングアップにすごくいいと思います。Baseball5は、5人全員が内野の守備に就くので、ホームには誰もいません。例えば、ランナー二塁で打球がサードゴロだった場合、サードが打球を捕って一塁へ投げて、はい終わりとなってしまうと、セカンドランナーがホームまで走ってしまう可能性がある。だから、サードは一塁へ投げた後、すぐにホームへベースカバーに入るとか、違う選手がホームへ向かうとか、いろいろな動きがあります。そういったことを自分で考えて準備しておかないといけないし、実際に起こるプレーの中で状況を見ながら何をするべきか判断しなければいけない。周りを見る目、一瞬で考えて判断する力、そういうものが養えるんじゃないかと思います」

 とは言うものの、やはり野球のルールを理解し、スキルを持つ人の方が、Baseball5も上手にこなすのではないか。「いや、初心者がプロ野球選手に勝つ可能性も十分にありますよ」と六角は笑顔を見せる。

「手に持ったバットで前から飛んでくるボールを打つ技術と、自分でトスしたボールを手で打つ技術は全然違います。プロ野球選手も手で打つ打ち方はしないので、その感覚は結構違うと思います。しかも、内野で必ずワンバウンドさせないといけないので、ホームランを打てばいいわけじゃない。だからといって、弱すぎてもダメ。このあたりの加減が、今、世界で一番強いキューバの選手が本当に上手なんですよ。打つ時に思いきり振りきって打てるんですよね。Baseball5のコツみたいなものがあるので、それを掴んだ人にはプロ野球選手でも勝てないと思います」

 Baseball5に興味を持った人に、朗報が1つ。今から競技を始めても、日本代表になれるチャンスがあるのだ。今年開催が予定されていた「第1回WBSC Baseball5ワールドカップ(W杯)」が、コロナ禍により来年6月に延期となった。これに伴い、W杯予選となる「第1回WBSC-ASIA Baseball5 アジアカップ」も来年1月に延期され、アジアカップに出場する日本代表を選ぶ「日本代表デジタルチャレンジ」も一時中止となっている。

「まだ、全然間に合います! 日本に紹介されたばかりのスポーツなので、Baseball5を知らない人が多い。その分、代表になれる可能性は高いですよね。18歳以下のユースの部とオープンカテゴリーの部と分かれているので、興味がある人は募集が再開したら、ぜひチャレンジしてほしいですね」

 百聞は一見にしかず。まずは「Baseball5」が何なのか、WBSC公式ホームページ(https://baseball5.wbsc.org/ja.html)、全日本野球協会公式ホームページ(https://www.baseballjapan.org/jpn/baseball5japan/)で動画をチェックしてみよう。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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