日ハム中田、セイバーメトリクスに表れない凄さ ラストスパートで2冠も視界に
“絶好球”を逃さず打ち込んでいるが、それ以外にも…
次に、今季の中田の投球コース別の打率についても見ていきたい。
まず、ど真ん中に対して打率.429と、まさに好球必打が徹底できている点が目を引くところ。また、高めの2コースやインコースの真ん中、真ん中の低めに対しても高い打率を記録しており、アウトローや内角低めといった難しいボールへも年間打率(.243)を上回る数字を記録している。外角高めを.152とかなり苦手としているものの、それ以外のストライクゾーンに関しては明確な穴と言える箇所はない。総じて、今季の中田は多くのコースに対応できていると言ってよさそうだ。
投球コースに続けて、中田が今季記録している球種別の打率についても紹介していきたい。
シュートとシンカー・ツーシームという、右打者にとっては内に食い込んでくる球種に対してかなり高い打率を残している点も特徴的だ。先ほどのコース別打率でインコースを得意としていた点も含め、「強打者に対してインコースを攻める」という定石へのリスクをバッテリーに背負わせている。
その一方で、スライダー、カーブといった外側に逃げていく変化球への対応に苦慮していることもうかがえる。コース別の打率では、アウトコース高めを除けば外側のボールを極端に苦手とはしていないだけに、これらの球種に対する数字が改善されてくれば、さらに成績が向上する可能性も秘めているだろう。