西武スパンジェンバーグが見せる適応能力 MLBプロスペクトが日本で開花の予感
日本の地で完全開花を果たすためにも、シーズン最終盤は正念場
来日当初は米国時代に通ずる打撃の粗さが見受けられたものの、徐々に日本球界への適応が進みつつあるスパンジェンバーグ。先ほど紹介したコース別、球種別の打率からも、対応力の高さが感じられるところも頼もしい。そういったポジティブな要素が今後の打撃にも活きてくれば、さらなる成績の向上も期待できるだろう。
日本球界にやってくる外国籍の多くに求められる打撃力のみならず、より先の塁を狙えるだけの俊足や、複数ポジションに対応できる守備といった、各セクションにおける優れた野球センスを感じさせるところは、さすがは元プロスペクトといったところ。それに加えて、打撃面では年齢相応の成熟度が備わってきており、日本の地でついに本格化しつつあると言えるかもしれない。
MLBの元プロスペクトが日本の地で花開いた例としては、広島とオリックスに在籍したブライアン・バリントン氏の例が挙げられる。バリントン氏は2002年のMLBドラフト全体1位でプロ入りしたものの、MLBでは通算1勝と芽が出ず。しかし、NPB入りした2011年にいきなり13勝を挙げると、その後も広島先発陣の一角として活躍。日本での実働5年間で2度の2桁勝利を含む45勝を挙げ、そのポテンシャルの高さを証明してみせた。
スパンジェンバーグも同様にNPBで持てる才能を示しており、日本球界への適応と自身の成長が数字にも反映され始めているだけに、このまま持ち前の長打力とマルチな才能を存分に発揮し続けてほしいところ。異国の地で再出発し、飛躍のきっかけをつかみつつあるスパンジェンバーグにとって、シーズン終盤戦は、まさに自分自身の価値を証明するための戦いとなってきそうだ。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)