最速156キロにダル級SNS発信力? ドラ1候補の苫小牧駒大・伊藤大海を徹底解剖
ツイッターとYouTubeを活用して情報発信にも積極的
◯発信力
ツイッターとYouTubeを活用して、自身の経験やトレーニング方法、技術論を伝えている。きっかけは“浪人時代”にあった。母校の駒大苫小牧で練習を手伝いながらトレーニングに励んでいると、後輩たちから質問されることが多かった。「自分のためになりましたね。引き出しが増えました」と考えていることを表現する力が身についた。「自分が高校生の時には、自分が思っていることを言葉にする力がなくて、違った解釈をされることもあったので、言葉の表現は大事だと思います」と語る。
高校生と会話を重ねるうちに、自らの経験や考えていること、取り組んでいることを「自分だけのものにするのはもったいない」と思うようになった。「少なからず材料にして取り組んでくれるならやってみよう」と昨オフからツイッターを始め、今年3月からはYouTubeチャンネルを開設した。
情報発信でのお手本は、ダルビッシュ有投手(カブス)だ。子供の頃から大好きで「ピッチャーになりたいと思ったのもダルビッシュ選手に憧れがあったから」と打ち明ける。今でも「野球人としての取り組みは真似していけたらなと思います」と尊敬の眼差しを注ぐ。
SNSで技術論を展開する際には、小・中学生を意識しているという。「ダルビッシュ選手は現役のプロや大学生、高校生向け。僕はもう少し掘り下げて、中学生、小学生にいけたらなと思っています。今はどの世代にも(情報が)届きやすい。この環境を利用しない手はないですし、今の小・中学生が将来のプロ野球につながれば、意味があるのかなと思います」。野球少年が激減する中、野球人口拡大まで念頭においた活動だ。
小学生の弟に感想を聞いて「分かりにくい」と“ダメ出し”されると反省し、小学生でも分かるような説明を心がけている。「自分の技術を話す機会はそんなにないので楽しいです。コメントも見ますよ。『ためになる』と言われたらうれしいです」と屈託なく笑う。プロ野球選手になっても、球団の許可があれば継続したい考えだ。
グラウンド内外で様々な経験を積んできたタフな23歳。どの球団から指名されるのか、目が離せない。