4年連続日本一の強さはどこに? 元鷹コーチが解説する影のMVPと巨人に欠けた全力疾走
ソフトバンクが目立ったプレーは随所にあった、「巨人にはゆっくり走る選手もいた」
ソフトバンクは走塁でも流れを引き寄せた。第2戦では初回1死一塁の場面で栗原が右前打を放ち、一塁走者のグラシアルがヘッドスライディングで三塁まで進塁。続くデスパイネの内野ゴロの間に生還した。第3戦では代打長谷川が二ゴロで一塁にヘッドスライディング。ほかにも、ソフトバンクの選手たちは走者一塁の場面で内野ゴロを放っても、併殺打を避けるために一塁に全力疾走する姿が目立った。
「打ったら走る。ランダウンプレーでも簡単にアウトにならない。次の塁を狙う姿勢を持つ。そういった当たり前のことを普段通りできたのがホークス。巨人にはゆっくり走る選手もいたが、そういうことができないとダメなんだということを感じないといけない」
ソフトバンクの投手陣の強さが際立ったシリーズでもあった。巨人の今シリーズのチーム打率は.132。奪った得点は4試合でわずか4点だった。飯田氏は「巨人の打者は速い直球を狙っても弾き返せなかった。何球か甘いところにもきたが、それを仕留められなかった。初戦で千賀にあれだけいいボールを投げられたら、巨人の打者も(調子が)狂ってしまうし、2戦目以降の先発陣も頑張った」と分析。「逆にホークスの打者は甘い球をしっかり1球で仕留めていた」と、走攻守それぞれの力の差が重なり合い、4勝0敗という一方的な結果につながったと指摘した。
打線が機能し、盤石の投手リレーで4連勝を飾ったソフトバンク。絶対的な強さを誇るチームの中で、それぞれが力を発揮し、その中で中村晃の存在が光った、今年の日本シリーズだった。
(Full-Count編集部)