「88年世代」最速MVPから3度目のトレード…西武・吉川光夫に訪れた同級生との“縁”

田中将大、前田健太、坂本勇人…88年世代のひとりとして復活なるか

 田中、前田がメジャーで活躍し、坂本は日本球界を牽引する存在に。澤村は海外FA権、増田、梶谷は国内FA権を取得し、このオフに去就が注目されている。一方、高校3年の夏の甲子園で優勝投手となり、この世代を“ハンカチ世代”と呼ばせたこともある斎藤は、今季1軍登板なしに終わり、最近5年間で1勝と苦闘が続いている。上田剛史外野手はヤクルト、森越祐人内野手は西武から戦力外通告を受け、プロ人生の岐路に立っている。

 この綺羅星のような世代で、最初にMVPを獲得したのが吉川。6年目の12年に14勝、防御率1.71をマークし、日本ハムを優勝に導いて受賞した。翌13年には田中、15年には柳田、19年には坂本が続いている。

 吉川はその後成績が下降し、16年オフにトレードで巨人へ移籍。昨年のシーズン途中には再びトレードで日本ハムに復帰したが、今季はリリーフだけで5試合登板にとどまった。西武・渡辺久信GMは「私の監督時代(08~13年)は手ごわい投手だった。まだまだボールには力があるし、経験値も高い。(起用法は)現場が決めることだが、先発も視野に入れている」と期待を寄せる。

 斎藤の同僚から、高橋氏の後継者へ――。西武では、木村文紀外野手、増田、そしてザック・ニール投手が同世代として迎える。鮮やかな復活を成し遂げ、この世代で新たな伝説を作ってほしい。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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