日本Sの最中に2軍選手に突然電話「この感じでいい」 鷹・長谷川勇也が注ぐ“親心”

2年前の契約更改で長谷川が語った若手選手への物足りなさ

 ちょうど2年前の12月。契約更改会見の場で、長谷川は当時の2軍の若手選手に対して“カツ”を入れるような発言をしている。

「意識の高い選手がいない。何のためにプロに入ってきたのか、何のためにユニホームを着ているのか、伝わるものがなかった。年齢を重ねて後輩の見方が変わってきたところもあるが、だから負けちゃいけないし、負けるわけがないとも思っている。ベテランはみんな、若い選手に負けるなんてまったく思っていない」

 当時、佐藤はまだ入団していなかったが、増田は1年目、リチャードはまだ育成の1年目を終えた頃。栗原は4年目でキャンプ終盤に肩を脱臼しながらも1軍で11試合に出場してプロ初安打を記録した年だ。長谷川の発言に呼応するかのように、それぞれに長谷川に自ら助言を求め、それを結果につなげるまでに成長した。

 2021年シーズンも、ソフトバンクのポジション争いは熾烈を極める。長谷川自身でさえ、外野のレギュラーが約束されているわけでない。それでも長谷川は、このチームの中で自分自身を磨き続ける決断を下した。そんな長谷川の背中を見ながら、若手たちはさらなる高みを目指していくことだろう。決して数字だけでは表せない長谷川の存在感を、改めて思い知らされた契約更改だった。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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