21歳で現役引退から駆け抜けた第二の人生 元ロッテ右腕の大学で広がった視野

サッカー部を中心にメンタルサポートを行うチームを結成し、そのメンバーに

 投げる瞬間だけにフォーカスを当てる指導は、テークバックの段階で力が入り過ぎている場合などに指摘されることが多いですが、投げるという動作は非常に複雑な動きの連鎖によって成り立っており、動作中でも意識しやすくシンプルであることが求められるため、こうした表現がされているのだと思います。

 このような違いを知っておくことは、人によって異なる多彩な感覚を理解する上で役に立つとともに、目的とする動作を行うためには、どういった伝え方をしていくべきかなど、指導する側の面白さに魅力を感じるようになりました。原理原則に基づいて、そこから言語化へと発展させることは、自身の指導の幅を増やすと同時に、選手へのより的確なアプローチにつながると考えています。

 他にも、心理学を専門としている先生が、小学校~大学までのサッカー部を中心にメンタルサポートを行うチームを結成しており、私もそこのスタッフとして参加しています。そこでは、選手の心理面に関するデータの収集や分析、及びそのフィードバックを行うことや、メンタルトレーニングに関する知識を増やすための勉強をするなどの活動をしています。

 これまで野球にしか携わってきていないので、こうして他競技との関わりを持つ機会を得られたことは、これまでよりも広い視野を持つことが出来るきっかけとなるのではないかと考えています。選手との対話を通して、競技特有の課題の発見、またその解決方法を模索する過程は、とても勉強になります。

 こうした学びや活動を通して、特定の分野を大学院等でさらに深く学んでいくことも、今後の選択肢の一つとして成り得ると思うようになりました。一方で、語学に関する道もまだ可能性として残っていますので、それと並行して今後も大学生活を送っていきたいと思っています。

 現在、新型コロナウイルスによって様々なことが制限されていますが、状況が落ち着き次第、留学へ行くことも検討していますので、そこでまた新たな可能性が見えてくることも考えられます。引き続き色々な分野にアンテナを張りながら、自分にとって最適な道を模索していきたいと思います。

(島孝明 / Takaaki Shima)

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