夢の4冠まであと一歩、殿堂入りレジェンド3人… パ初代タイトルホルダーたちは?

「火の球投手」荒巻淳がルーキーながらも投手2冠

 続いては、投手タイトル獲得者だ。第6回、第7回の連載に目を通していただければ、何度か登場した名前であることに気がつくはずだ。なお、最多セーブは1974年、最優秀中継ぎ投手は1996年から創設されている。

最優秀防御率 荒巻淳(毎日) 防御率2.06
最多勝利 荒巻淳(毎日) 26勝8敗
最高勝率 野村武史(毎日) 勝利.818(18勝4敗)
最多奪三振 米川泰夫(東急) 207奪三振(23勝23敗)
※カッコ内はチーム、勝敗

 毎日・荒巻淳はルーキーながらも投手2冠を獲得する圧巻の活躍ぶり。連載第7回でも触れたように、日本シリーズでは振るわなかったものの、シーズンではチーム勝率.704を記録した快進撃に大きく貢献したと言えるだろう。パ・リーグの初代新人王にも輝いている。今季は「火の玉ストレート」で活躍した阪神・藤川球児が現役引退を表明したが、荒巻も左腕からの快速球が持ち味で、「火の球投手」と呼ばれていた。プロ13年間で173勝を挙げ、1985年に殿堂入りを果たしている。

 最高勝率を獲得した野村武史はシーズン中の活躍はもちろんのことながら、日本シリーズでの活躍も光った。詳しい内容は第7回の記事で取り上げているが、毎日の4勝のうち3勝を野村が記録するなど、大車輪の活躍でチームを頂点に導いた。最多奪三振の米川泰夫は第6回の記事に登場している。毎日がリーグ優勝を決める試合で敗戦投手となってしまったものの、58試合に登板して27完投、363回2/3を投げ抜くなど草創期の東急を支えた大投手だ。

「別当か、荒巻か」紙面上では最優秀選手についての議論も

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