3連覇逃した西武 森&山川ら強力打線が不調も、ベテランと若手の台頭に光【野手編】

任された場所で結果を残し続ける、窮地の打線に芯を通した栗山巧という男

 今季の西武打線の核となったのは栗山巧外野手だ。プロ19年目となった今季は開幕から好調を維持。111試合で自己最多タイの12本塁打を放ち、打率はチームトップの.272を記録した。持ち味の冷静な選球眼と、ショートの頭上を越えるお手本のような流し打ちはもちろん、時には長距離砲顔負けの美しいアーチも描いた。不振に苦しむ選手が多かったからこそ、チームを鼓舞しつづける栗山はまさに「屋台骨」のような存在だった。

 開幕直後は6番、7番を任されるのが主だったが、主軸の不調が深刻化すると、それをカバーするように5番、3番と打順を上げた。そして、9月1日の試合では4年ぶりとなるかつての定位置「2番」に座り先制打を放つ活躍を見せ、さらに同18日からは「4番」を務める機会も増えた。得点圏打率はリーグ6位の.330と、どんな打順でも期待に応えた。

 球団最多安打を更新し続ける栗山は、7月26日の試合で史上45人目となる通算350二塁打を達成。今季は101安打を放ち、通算2000本安打まで残されたカウントダウンは「74」となった。プロ20年目の大台到達となる来季に、球団生え抜き選手初の快挙達成となるか。

新キャプテンの「たまらん」守備は今季もファンを魅了

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