女子選手は積極姿勢、私生活はきっちり…駒大苫小牧監督が感じた“男子との違い”

駒大苫小牧・女子硬式野球部【写真:石川加奈子】
駒大苫小牧・女子硬式野球部【写真:石川加奈子】

女子野球の「今」伝える連載の第2弾、駒大苫小牧の熱血漢の奮闘追う最終第3回

 野球人口の底辺拡大を願い、Full-Countでは女子野球の「今」を伝える連載を随時展開している。第2弾は、昨年春に創部した駒大苫小牧の女子硬式野球部。男子野球部の副部長、部長として2004、2005年の夏の甲子園優勝に貢献し、一昨年から女子野球の世界へと飛び込んだ茶木圭介監督の奮闘ぶりに迫る。全3回の最終回は、男子と女子の指導法の違いについて語る。

 1年生24人が活動する駒大苫小牧では、毎週火曜日をメディカルチェックの日と決め、練習は行わない。故障の有無に限らず、全員が治療院に行き、体の状態を見てもらう。酸素カプセルを使うことも。男子では実施していなかった週1回の一斉メディカルチェックについて茶木監督は「怪我をしても言いやすい環境をつくっています」と狙いを語る。

 一昨年まで男子選手を鍛え上げてきたが、女子野球の指導は初めて。「選手たちは頑張ってやっていると思います。中学生の時は毎日練習をしていなかった子もいるでしょうし、詰め込み過ぎは良くない」。あえて選手が物足りないと感じる軽めのメニューの日をつくるなど、手探りで練習量を決めている。

 一方で、男子の指導で有効だったメニューを積極的に組み込む。鉄バットでの素振りや、全身を鍛えるため特注したハンマーをタイヤに向かって振り下ろす運動など。男子よりも軽い用具を特別に発注し、オーバーワークには細心の注意を払う。

 教えながら、男子選手と女子選手の違いを感じることの多い1年だった。「男子には技術を教えるより、私生活の方ばかり厳しく言っていました。授業中に寝ていた選手を説教するということもありましたが、女子はそのへん全く手がかからないです」と女子選手のしっかりした学校生活や寮生活を評価する。

 グラウンドでの態度も対照的だという。「女子は自分から質問をしますね。『ここがうまくいかないので見てください』とか『アドバイスしてください』と言われることも多いです。男子にはあまりないこと。会話は圧倒的に女の子の方が多い。男子は練習が終わった後も『ハイッ』『ハイッ』という感じですが、女子は練習が終われば屈託のない笑顔になる。楽しいですし、娘みたいです」と茶木監督自身も新鮮な気持ちで指導にあたっている。

男女合同で練習することも「男子も女子の前では失敗できない」

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