元女子プロ“美女9”が新米先生に 「やる気と愛情だけを…」決断を後押しした一言

生徒に伝える思い「1日1日を頑張って大切に積み重ねてほしい」

 これまで歩んできた自身の野球人生を生徒たちに直接語ることもある。「私はこんな感じ歩いてきたので、つまずいても大丈夫。いきなり進路が開けることもあるよ」。そう励ます一方で、努力の大切さを伝えることも忘れない。「私は野球に打ち込み、続けたから道が開けた。日頃の積み重ねがつながっていく」と訴える。

 選手には、野球だけではなく、日常生活はもちろん、勉強も頑張ってほしいと願う。野球を職業にできる人の数は男子に比べて圧倒的に少ないからだ。

「将来好きな道に進めるように、勉強した方が良いですよね。今は嫌でも後々よかったと思える日が来ます。どこに行っても大事なことは一緒。ここで学んだことは必ず生かせるので、1日1日を頑張って大切に積み重ねてほしいです」

 女子プロ野球選手時代にはタイトルを獲得し、「美女9」にも選出されたこともある人気選手だった。キャプテンやコーチも務めた人格者でもある。今は熱血漢の茶木監督と全国各地から集まった向上心旺盛な1期生24人に囲まれ、地に足をつけてセカンドキャリアを歩んでいる。

○佐藤千尋(さとう・ちひろ)
 1989年10月22日生まれ。岩手・一関第一高時代はソフトボールで全国高校選抜大会に出場。北海道教育大岩見沢校進学後、男子硬式野球部にマネジャーとして入部し、2年春から選手になった。大学卒業と同時に女子プロ野球入りし、13年に二塁手でベストナイン、18年に外野手でゴールデングラブ賞のタイトルを獲得した。プロ8年間で334試合に出場し通算打率は.281。昨年春から駒大苫小牧の体育教師になり、女子硬式野球部の部長を務める。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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