日本一、子供たちの夢……球界最高年俸となった巨人・菅野智之が背負うもの
菅野が背負うものは、どんな時も大きい。伝わる強い信念
昨年は11月末までシーズンを戦い、12月、1月と多忙な時期を過ごした。巨人に残留することが決まった今、日本一奪回に向けて、気持ちは切り替わっている。この期間にDeNAから梶谷、井納がFAで加入。心強いメンバーが仲間となった。
「頼もしいですし、井納さんとはよく投げ合って、勝たせてもらったので、いなくなってしまうのは寂しいです。梶谷さんはよく打たれているイメージがあります。来てくれてよかったです」
同僚たちは自主トレを進め、菅野の残留をそれぞれが心強く感じている。それはファンも同じだろう。球界最高年俸選手となった今、この数字に夢を抱く野球少年も多いはず。菅野が背負うものは、どんな時も大きい。それでも、それを力に変えてきた。
「プレッシャーもありますし、その金額に見合った活躍をしないといけない身が引き締まる思いです。野球離れが加速している中で、少しでも野球選手になりたいなと(思ってもらえたら)……しっかりと自覚のある責任のあるピッチングであったり、そういうものをしていけたらなと思います」
どんな決断をしたとしても、自分が選んだ道で全力を尽くせばいい。帰国後の会見では個人の目標を「20勝」としている。まずはキャンプ、それから開幕投手の座を目指して、進んでいく。
「もっともっと、パフォーマンスも上がると思っていますし、年齢的な部分もありますけど、上を目指せる体だと思っています。若干、昨年の今頃は多少なりとも腰に不安はあったので、あまり攻めて(練習を)できなかったですが、今に関しては体は万全ですし、そういうことも突き詰めながらやっていきたいです。今年が終わったオフにメジャーリーグに挑戦できるチャンスがあれば、そこでチャレンジしたいなと思います」
まだまだ上手くなりたい。「道半ばです」と何一つ、現状に満足はしていない。野球界の未来のためにもやるべきことはある。そんな強い思いが言葉から伝わってきた。
(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)