元燕・上田氏、甲子園で一発放ったハム斎藤へ感謝とエール「一花咲かせて欲しい」
斎藤とは選抜大会で延長再試合の激闘、8打数4安打をマーク
圧巻は2回戦の東京・早実高戦だ。延長15回の末に7-7で引き分け、翌日の再試合は3-4で惜敗した。相手のエース斎藤は1試合目で15回231球完投。再試合も3回から登坂し9回まで103球で投げ切った。「3番・中堅」で出場した上田氏は最初の試合の7回に斎藤からバックスクリーン右へ2ラン。斎藤とは2試合で11度対戦し、内野安打2本を含め8打数4安打2打点、1四球2死球2三振だった。
「高校生活で1番思い出深い試合です。斎藤は速かったし、完成されていてタフな投手でした」。高校卒業時点では、この世代の“顔”といえば斎藤であり、「ハンカチ世代」と呼ばれたほど。特大弾を放ったとあって「僕も斎藤佑樹のお陰で、ちょっと株を上げさせてもらったところがある」と茶目っ気たっぷりに笑った。
その斎藤は昨年、プロ入り後初めて1軍登板なしに終わった上、10月に右肘の靭帯を断裂。保存治療を選択し、現在もリハビリ段階にある。先にユニホームを脱いだ上田氏は「斎藤もプロでは思い通りのシーズンを送れていないと思う。ここでひと花咲かせてほしい」と胸中を思いやる。
それにしても、豪華な顔ぶれの世代だ。上田氏は「僕は『頑張れ』とか言える立場ではありませんが、記録ずくめの世代になってほしい」と熱視線を送る。「(坂本)勇人が張本(勲)さんの通算安打記録を抜くとか、柳田がシーズン60発以上打つとか、秋山(翔吾外野手=レッズ)がメジャーでもシーズン200安打を打つとか……」と数え上げた。
「同世代でやってきた選手たちは、みんな一生の仲間。この世代でいることが僕の誇りです」と上田氏。黄金世代のプライドを胸に、セカンドキャリアでも自分らしい道を切り開いていく。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)