2軍で打率.344も「反省しかなかった」 ロッテ高部瑛斗に宿るあくなき向上心

初対戦の相手は球界を代表する投手「こういうピッチャーを打たないと…」

 相手先発は山本由伸。球界を代表する投手を相手に2三振を喫し3打数無安打(試合では4打数無安打3三振)と完璧に抑え込まれる。これまで体感したことのないボールだった。

「日本でもトップレベルのピッチャーで、素晴らしいキレの変化球だったり、真っすぐがあったので、こういうピッチャーを打たないとプロ野球選手として一流になれないんだなというのは強く思いました」と1軍で活躍する投手の凄さを肌で感じ取った。

 一方で「自分の中で自分を過信していた部分があって、それが分かったので(1年目は)良かったとも思います」と、この経験を前向きにも捉えている。

 このキャンプでは松中信彦臨時打撃コーチから“金言”を授かった。「上体を『立てるように』、足を『流さないように』と。そういった細かい部分を見てくださっているのでありがたいです」。これまであまり意識してこなかった部分の指摘を受けたことに感謝する。

 幼い頃から負けず嫌いの性格だった。1軍初出場の翌日にスタメンを譲った藤原恭大外野手は今季も外野の一角を争うライバル。勝ちたい気持ちは「もちろんあります」と力を込める。

 もちろん自分にも負けることは許さない。「自分が満足することはないと思う。自分ができることを全てやり切るという思いで一日一日を過ごして、少しでも自分の能力、レベルを上げていきたい。素晴らしいシーズンになるようにしたいと思います」。2軍で結果は残した。次は1軍の舞台で結果を残せる選手になれるよう努力を積み重ねる。

○高部瑛斗(たかべ・あきと)1997年12月11日、神奈川県高座郡出身。23歳。中学時は越生ボーイズに所属。東海大甲府高では3年夏に甲子園出場。3回戦で早稲田実業高に敗れる。国士館大進学後は通算129安打を放ち、東都2部の歴代最多安打記録を更新。2019年ドラフト会議でロッテから3位指名を受け入団。178センチ、72キロ。右投げ左打ち。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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