「3年やって会社勤めかな…」“猫だまし投法”ロッテ山本大貴の転機となった出来事
独特なフォームが生まれたきっかけは「先輩とのキャッチボール」
山本大貴のフォームは右手の使い方が特徴的で“猫だまし投法”とも呼ばれている。打者がタイミングのとりづらい独特のフォームが生まれたきっかけも社会人時代にあった。
「今言っても誰も信じてもらえないかもしれないんですけど、高校まではしなやかできれいなフォームというのがウリだったので……」と笑みを浮かべながら振り返る。
自信をなくしていた社会人時代、先輩とのキャッチボールで「暴投投げたらどうしよう」と、制球に苦しんでいた時期に試行錯誤した末にたどり着いたフォームだった。
「毎回(暴投して)すみませんすみませんって言って、自分の中で嫌になってきて、それをどうしたらいいのかなって、先輩やコーチに相談していくなかで、あんな感じになっていきました」
特徴的なフォームを武器に、プロの世界へ飛び込んだ。1年目にプロ初先発を果たすも3回4失点で負け投手に。プロ入りして2年間で1軍で投げたのはその試合だけだった。「やっぱり1軍のレベルはほど遠いところにあるんだなというのは痛感させられました」と当時の心境を語った。
その悔しさを胸に、昨年は1軍で自己最多となる12試合に登板。その内11試合で無失点と1軍の舞台で猛アピールを見せた。「ぶつかっていこうと決めていたので、それが結果として出てくれたのはよかった」と手応えを口にした。今季は「1試合でも多く投げて、とにかくチームの勝ちに貢献したいという思いが強いですね」と語る若き左腕の活躍に期待が集まる。
○山本大貴(やまもと・だいき)1995年11月10日、北海道札幌市出身。25歳。小学3年時に野球を始め、江別リトルシニアに所属。北星学園大附属高では1年夏からベンチ入りするが、全道大会への出場は果たせなかった。三菱自動車岡崎を経て2017年のドラフトで3位指名を受け入団。182センチ、90キロ。左投げ左打ち。