「必ずドラフト1位で選ばれる」プロ注目左腕、筑波大・佐藤隼輔のブレない強さ

150キロ超のストレートを持つが「そこまでスピードは重視していない」

 最近では時速160キロに迫る剛腕も登場し、いかに速い球を投げるか、に価値を見出す向きも多い。佐藤自身「150キロを出してからはストレートが注目されている」と感じているが、「自分はそこまでスピードは重視していないので」と続ける。

「僕は制球を大切にしたいと思っています。元々コントロールピッチャーでやってきたんですけど、最近は球速が出た分、相手チームや自チームの選手からもストレートが注目されている。自分自身も傾きかける時はありますけど、あくまで自分はスライダーが生命線だと思っています。なので、この冬の課題として、コントロールをもう1つ上げること、そしてスライダーをどう高めていくかに取り組んでいます」

 しなやかな腕の振りから繰り出す伸びのあるストレートと切れ味のいいスライダーで打者を翻弄する投球スタイル。沈むチェンジアップも織り交ぜながら、アウトを積み重ねる。

「右打者に対するインコースのストレートと、そこからのスライダーが自分の武器。昔からインコースで勝負をするように指導されてきたので、インコースに投げる恐怖心はないですね。スライダーは強いて言うなら、カウントを整えるものと空振りを取るものとがありますけど、意識や状況で誰もが分かるようなもので変化量の調整まではできていません。なので、この冬はスライダーの投げ分けを考えているところで、ブルペンで投げながら精度を高めていきたいと思います」

 もちろんプロ入りを目指しているが、その前に果たしたい仕事がある。「チームとしても掲げている全日本(大学野球選手権)での優勝」だ。筑波大は1990年に出場して1勝を挙げたが、以来30年にわたり出場から遠ざかっている。出場するにはまず、強豪揃いの首都大学野球リーグを制さなければならない。そのために掲げる目標が「自分が投げた試合は負けないこと」だ。チームの勝利のために腕を振った先に、プロ入りの道が拓けると考えている。

1996年の杉本友以来、史上2人目の国立大出身ドラ1となるか?

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