「必ずドラフト1位で選ばれる」プロ注目左腕、筑波大・佐藤隼輔のブレない強さ
1996年の杉本友以来、史上2人目の国立大出身ドラ1となるか?
子どもの頃からプロ野球選手を志していたのかと思いきや、「意識したのは高校3年生の時ですね。それまで部活としてやってきたので、プロになりたいとか思ったことがなかったです」と笑う。小学4年生で野球を始めた時も「仲の良かった友達が野球チームに入るというので、自分もやろうかなと思って」。中学でも「辞める理由もなかったので」と野球を続けた。物事への執着が少なく「そこまで何かを好きになるっていうことがあまりない」という左腕が、今ではドラフト1位でのプロ入りを目標に掲げるまでに変わったのだから野球が持つ魅力は計り知れない。
今秋のドラフトで1位指名されれば、1996年にオリックスから指名された杉本友(筑波大)以来、史上2人目の国立大出身ドラ1選手となる。小学校から大学まで国公立で育った数少ない例でもある。
「周りから言われるまで意識していなかったんですけど、確かにそうだな、と。自分はこれまで強豪チームではやってこなかったし、野球をやらされる環境ではやってこなかったので、そういう道ではなくても考えながらやっていけば、しっかりレベルアップができるという1つの指標になればいいなと思います」
プロ野球に目を向けてみると、育成出身の千賀滉大(ソフトバンク)、甲子園出場経験のない山本由伸(オリックス)らが活躍し、成功を掴むまでの新たな道を示している。佐藤もまた、これまでとは違ったプロへの道を示せる可能性を持つ1人と言えるだろう。
どこへ行っても「マイペースだって言われます(笑)」という21歳。これからドラフトが近づくに連れ、周囲は賑やかになるだろうが、軸をぶらさず一歩一歩前進し続ける。
(佐藤直子 / Naoko Sato)