なぜ高卒新人2人を“1日限定”でA組に呼んだのか? 鷹・工藤監督の3つの思惑
井上、牧原巧ともに大いに刺激になったようで「いち早くここでやれるように」
もう1つが、期待のルーキーに1軍のレベルを知ってもらい、そして自分の課題を感じてもらうことにある。指揮官は「感じてもらうということですね。思った以上にロングティーでもスイングできていた、大したもんだと思って見てました。キャンプで1番疲れたと思いますけど、これが普通になっていかないといけない。こうしよう、ああしようと気づいてくれたら」と、今後の糧にすることも狙った。
そして、ルーキーたちのモチベーションのアップにもなる。「彼らにとっていいモチベーションになってもらえたらな、と。元気に明るく声も出ていた。最初は緊張していたようですけど、元気にやってくれたので呼んで良かった。今日の気持ちを忘れないでやってほしいですね」と指揮官。A組の雰囲気を味わい、感じることで、新人たちの向上心により一層、火をつけようという狙いもあった。
現にA組を味わった2人からは「今日経験したことをB組でも続けていって、高い向上心を持って取り組んでいきたい」(井上)、「いち早くここでやれるようにB組に戻っても頑張っていきたい」(牧原巧)と意欲的なコメントも飛び出し、その表情はやる気と希望に満ちていた。荷物をA組のロッカーからB組のロッカーに運ぶ際にも、晴れやかな表情だった。
1日限定だったルーキーのA組参加だが、そこで2人はその非凡さを発揮した。この経験を糧に大きな成長を遂げ、いつの日か1軍の舞台で2人が輝く姿を楽しみに待ちたいものだ。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)