オリックスに4年ぶり復帰の平野佳寿 近い将来に達成可能な3つの“金字塔”
メジャー3年間で8セーブ、48ホールドをマーク
2017年オフに海外FA権を行使してダイヤモンドバックスへ移籍。メジャーデビューを果たした2018年は切れ味鋭いスプリットを武器に、MLBの強打者たちを相手に真っ向勝負した。セットアッパーの座をつかんで75試合に登板、32ホールド防御率2.44とフル回転の活躍を見せ、世界最高峰の舞台でもその実力が通用することを証明した。
続く2019年はやや成績を落としたものの、そのタフさは変わらず65試合に登板。宝刀スプリットの切れは健在で、引き続きリリーフ陣の一角として奮闘した。マリナーズに移籍した2020年もシーズン途中から抑えを務めるなど活躍したが、最後の2試合で5失点を喫し、防御率はそれまでの2.45から5.85まで跳ねあがる結果に。それでも、3年間にわたってMLBの舞台でリリーバーとして存在感を示し続けたのは間違いない。
ここでは平野が日米で記録してきた数字を、セイバーメトリクスで用いられる下記の3項目から分析していきたい。
・9イニングで記録できる奪三振数の平均を示す「奪三振率」
・9イニングで与える四球数の平均を示す「与四球率」
・奪三振を四球で割って求める、投手の制球を示す「K/BB」
奪三振率は9以上、すなわちイニング数を上回る奪三振数を記録すれば素晴らしい水準にあるとされる。平野はリリーフに転向して以来、この分野で抜群の成績を残している。2010年から2015年まで6年連続で投球回を超える三振を奪い、そのうち4シーズンで2桁の奪三振率を記録している。
三振を奪う能力に長けているだけでなく、制球力に優れている点も平野の特長だ。2011年以降はシーズンを通して与えた四球が多くても17個に抑えられており、とりわけ2012年は70試合に登板し、与えた四球がわずか5個という驚異的な数字を記録している。
三振が奪え、制球力も高いという特性はこの2つの要素がいずれも影響する「K/BB」の優秀さにもつながってくる。一般的にK/BBは3.50を上回れば優秀とされる中で、平野は2012年に16.00という圧倒的なK/BBを記録している。また、2010年から2016年の7シーズンのうち6度にわたって3.50を超え、2011年から4年連続で5点台以上の数字を残した。安定した投球を見せていた理由の一端が、これらの数字からもうかがえよう。