オリックスに4年ぶり復帰の平野佳寿 近い将来に達成可能な3つの“金字塔”
NPB通算150セーブ&150ホールド、日米通算200セーブ、200ホールドに射程圏
MLBにおける平野の各種指標についても見ていこう。
3シーズン全てで奪三振率は8を超え、2019年には10.36と素晴らしい数字を記録。通算の数字も131.2回で131奪三振と、イニング数とほぼ同じ数字に。日本での最後の2年間はやや下降気味だった奪三振率が再び向上したのは明るい材料だ。その一方で、与四球率は日本時代に比べて悪化しており、日本のマウンドで持ち前の制球力が戻るかどうかもカギとなってきそうだ。
平野が到達する可能性を持つ節目の記録についても紹介したい。まずは、元阪神の藤川球児氏と、今季からチームメートになる増井浩俊投手の2人しか達成者がいない「通算150ホールド&150セーブ」だ。既にNPB通算150セーブはクリアしており、NPB通算150ホールドにも残り11と迫っている。起用法次第にもなるが、近い将来の記録達成は十分に射程圏内と言えるだろう。
そして、平野はMLBでも48ホールドを記録しており、日米通算のホールド数は187。日米通算200ホールドの快挙にも残り13に迫っているだけでなく、日米通算であればそのホールド数は宮西尚生投手(通算358ホールド)、山口鉄也氏(通算273ホールド)、浅尾拓也氏(通算200ホールド)に次ぐ、日本人史上4番目の多さとなっている。
もちろんクローザーとして起用された場合は多くのホールドを積み上げるのは難しくなる。その一方で、平野が2020年までに記録した日米通算のセーブ数は164。日米通算200セーブの大台までは、あと36となっている。1シーズンでの到達はややハードルが高いが、2014年に40セーブを挙げている平野にとって決して達成不可能な数字ではないだろう。
2020年のオリックスは、前年まで3年連続50試合以上に登板してきた近藤大亮投手の故障もあり、シーズンを通して勝ちパターンの継投構築に苦しんだ。救援陣のコマ不足が目立ったチームにとっても、経験・実績共に豊富な平野の復帰が、非常に大きな「補強」となる可能性は高い。
メジャーリーグの舞台で確かな存在感を残し、4年ぶりにオリックスのユニホームに袖を通す平野。威力十分の快速球と、切れ味抜群のスプリットを武器に奪三振の山を築くピッチングが再び見られれば、さまざまな金字塔への到達も、そう遠い未来の話ではなくなることだろう。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)