田中将大の“一番弟子”松井裕樹が語る効果とは?「お陰でいいブルペンに…」
捕手に要望することで「もっといいバッテリーになっていける」
「本当に『思い出した』という感覚でした。シーズンオフにいつの間にか、ある程度挟んで投げれば落ちるだろうと漠然に思ってしまっていたのですが、6球続けたことによって、いい感覚が戻ってきました」と説明。ブルペンでも1球1球に魂を込めるストイックな姿勢が、田中将に重なってみえた。
また、このキャンプでは、田中将が捕手陣に「ミットの音は気にしなくていいから、際どいコースをストライクに取ってもらえるようなキャッチングをしてほしい」と要望したことが話題になった。日本では捕球の際、ミットで「バシッ」と高い音を鳴らし、投手を乗せることも捕手の技術とされている。しかし、メジャーではほとんど関心がなく、際どいコースをいかにストライクに見せるかという「フレーミング」が重視される。
松井は「僕はミットの音が鳴った方が気持ちいいですが……」とした上で、「それぞれの投手が何を一番にやってほしいのかを捕手に理解してもらえたら、もっといいバッテリーになっていけると思います」と、捕手とのコミュニケーションが増えることを歓迎した。
一昨年38セーブを挙げて「最多セーブ投手」のタイトルを獲得したが、昨年は自らの希望で先発転向。今季はチーム事情もあって再び抑えの役割を担う。守護神復活に向けて、田中将の存在が心強い支えになっていることは間違いない。さらに“田中効果”は投手陣全体に広がろうとしている。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)