「テンポもキレも制球も良かった」石井監督も絶賛、楽天ドラ1早川に残る課題は?
悠々と二盗を許す場面も「投げるタイミングがずっと一緒」
楽天のドラフト1位ルーキー早川隆久投手(早大)が、20日の日本ハムとの練習試合(沖縄・金武)で実戦初登板。2回を1安打無失点、3奪三振無四球の快投を演じた。1年目から開幕ローテ入りと2桁勝利を期待されている左腕が、実感した手応えと課題とは──。【宮脇 広久】
先発の田中将大投手の後を受けて、3回からマウンドに上がった早川。先頭の中島卓也内野手に対し、初球のストレートは太田光捕手の構えとは逆の内角に来たが、ゾーンに決まり見逃しストライク。2球目は同じく真っすぐが外角に決まり、中島は手を出せなかった。
早川が最も印象に残ったシーンに挙げたのが、続く3球目だった。「急にバットが出てきたのでびっくりしました」。外角へ投じたカットボールに対し、カウント0-2と追い込まれていた中島は咄嗟にバットを出し、三塁側へのファウルで逃げた。限界まで手元に引き寄せてコースを見極め、ここまで来たらもう見送るしかないだろうというタイミングでもバットを出す。“ファウル打ちの名人”とも言われれる中島の技術に触れた瞬間だった。
続く4球目の外角への速球は、この日のMAX150キロを計測。結局中島には、カウント3-2から三塁線へ痛烈なライナーを飛ばされたが、三塁の茂木栄五郎内野手のダイビングキャッチに救われた。
圧巻はなんといっても、この回2死走者なしでの中田翔内野手との対決。前の打席で田中将に1発を見舞っていた相手に、初球はインハイの速球で空振りを奪い、2球目は遅いカーブで見送りストライク。3球目はチェンジアップを空振りさせ、3球三振に仕留めた。