「野球が進んでいない」 元日ハム守護神、武田久氏が感じるアマ球界の問題点とは
長時間の全体練習に疑問、個人練習が効率的と指摘する
そんな現状をもどかしい思いで見ているからこそ、声を上げる。「もったいないと思うんです。全体練習で詰め込むのではなく、全体練習をある程度で切って、個人練習によって個々の能力を伸ばしてあげた方が効率的に時間を使うことができます」
独自の投球スタイルを確立して100セーブ&100ホールドを達成したタフネス右腕の口調は、さらに熱を帯びていく。
「指導者の立場からすると、全体練習でメニューを詰め込む方が楽なんです。拘束時間が長いと、何となくやった気にもなるでしょうし。でも、指導者はもっと一人一人の技術を高めるアプローチをすべきだし、そのための勉強をするべきです。40代、50代の指導者が現役だったころと今では考え方もトレーニングも全く変わっていますから」。
試行錯誤していた昔の自分と今の教え子を重ね合わせているのかもしれない。若い選手の成長を真摯に願う武田氏の言葉には、野球界を変えるヒントが詰まっている。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)