田中将大は「中6日・120球」への対応が関門か 今月決定、楽天開幕投手は誰に?
田中将、昨季の1試合平均投球数は約77球
実際、田中はヤンキースに在籍した昨季、コロナ禍でメジャーの試合数が大幅に削減された中で10試合先発にとどまり、3勝3敗、防御率3.56。1試合平均の投球回は約4.8回、投球数は約76.9球に過ぎなかった。一昨年の2019年は、リリーフ登板1試合を除外すると、31試合に先発し11勝8敗、防御率4.47。1試合平均で約5.7回、約87球だった。
一方、涌井は移籍2年目の昨季、20試合11勝4敗で最多勝のタイトルを獲得。1試合平均で約6.5回、約106.5球を投げ、最多で132球を投げた試合があった。シーズン序盤に腰の違和感で出遅れた岸は、11試合7勝0敗。1試合平均で約6.1回、約99.1球、最多は124球。ルーキーイヤーから6年連続2桁勝利をマークした後、過去2年連続5勝止まりの則本昂は昨季18試合5勝7敗。1試合平均で約6.1試合、105.1球。最多は130球だった。
田中将は今年、4人の中で最も早く、20日の日本ハムとの練習試合で実戦のマウンドに上がった。中田翔内野手に3ランを浴び、2回4安打3失点。石井監督は「いいステップだと思います。たぶんまだ“腹8分目”くらい。この時期にあれくらい投げてくれれば心配はない」と評したが、メジャーにはない日本式の軟らかいマウンドへの対応に苦戦していた。
おそらく、登板間隔が長いが1試合の投球数が多い日本の先発ローテーションの感覚を取り戻すのも、決して簡単な作業ではないだろう。そのあたりも加味しながら、指揮官は誰を開幕投手に指名するのか。決断の時は近づいている。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)