40歳になっても止まらぬ進化 鷹・和田が取り組む新球種習得「大事なボールに」

「相手が迷ってくれればいいなと思いますし、追い込んでからカーブがあると思ってくれるだけでも違ってくる」

「今年はカーブをすごく大事なボールにしていきたいなと思っている。今までスライダーやチェンジアップで(タイミングを)外していたので、もう1個(球種が)増えるだけで打ち取れる確率が上がる。相手が迷ってくれればいいなと思いますし、追い込んでからカーブがあると思ってくれるだけでも違ってくると思う」

 和田といえば球速以上に速さを感じると言われる140キロ台中盤の真っ直ぐ、スライダー、そしてチェンジアップが投球の中心。カーブが使えるようになり、ここに加えることができれば、投球の幅はグッと広がる。40歳にしてなお、投手として成長しようという和田の向上心が、このカーブに現れている。

 この日は予定イニングの3回を投げ終えると、ブルペンに向かい、さらに29球を投げ込んだ。これも今年の状態の良さの現れか。「昨年は登板後にブルペンに入ることはなかった。徐々に増やしていければ、100球も苦にならずに投げられると思う」と言う。

 昨季、和田は先発しても100球前後でマウンドを降りることがほとんどだった。以前に左肩を故障していることから、首脳陣の配慮もあったのだが、本人としてはやはり不本意だった。「90球、100球とかで勢いが落ちるのは避けたい。球数、イニングを伸ばしていきたい」。40歳であっても100球以上投げ、完投や完封さえも狙える投手でありたい。そんな思いが溢れている。

 今年はことさら表情が明るく見える。状態の良さから「気をつけて、調子に乗らないようにしないといけないですね」と、自らを戒めるほどだ。残り2人となった「松坂世代」。ただ、40歳になっても和田毅は若々しくあり、そして、進化しようとしている。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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