気になった田中将大の首振り…元捕手の専門家が懸念する相棒・太田の過度な“気遣い”
2盗塁許すも「データが頭に入れば、もっと走りにくい投手になる」
盗塁阻止も、バッテリーの共同作業だ。田中将はこの日、2盗塁を許した。6回には、1点を献上してなお2死一塁の場面で、一塁走者の代走・三好に走られ、いったん「アウト」の判定が下ったものの、リプレー検証の結果覆った。7回には先頭の三ツ俣を四球で歩かせ、次打者・根尾の2球目に走られると、太田は送球することもできなかった。
「田中将のクイックは決して悪いものではなかった。6回は、タイミングはアウトだったが、太田の送球が三塁方向に逸れた分、セーフになった」と野口氏は見る。太田は昨季リーグトップの盗塁阻止率.333を誇った強肩捕手だが、投手同様、捕手の送球にも開幕前の調整は必要なのかもしれない。
「田中将はもっと速いクイックもできるし、誰が走ってきて誰が走ってこないのか、日本の選手のデータが頭に入れば、セットポジションで球を持つ時間を変えたりして、走者にとってもっと“走りにくい投手”になるはず」とも。
今回を含め、田中将の3度の実戦登板は捕手はいずれも太田。石井一久新監督が正捕手として太田に期待していることは、起用法から見て明らかだ。田中将自身は試合ごとに日本のボール、マウンドに適応しつつある。今後、田中─太田の”爆問バッテリー”のコンビネーションをどこまで成熟させていくか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)