宮城出身の楽天・岸「ずっと思っています」 震災10年、悲願Vへの思い
震災発生時は西武に所属「東北の皆さんがすごく喜ぶのを見ていた」
今年の春季キャンプでは初日から連日ブルペン入りし、期間中の投げ込みは合計1000球を超えた。体調の良さがうかがえ、気合がみなぎっていた。小山伸一郎投手コーチは「(好調の要因は)キャンプを通じて、しっかり投げ込むことができたからじゃないですかね。もともとそういう(球数をこなして調子を上げる)投手なので。シーズンオフの過ごし方がしっかりしていたということでしょう」と評した。
2日後の11日は、東日本大震災発生からちょうど10年。地元・仙台市出身の岸は「近づいたからといって特別思うことはない。(今年で)10年と聞いてから、ずっと思っています」と述懐する。
震災が発生した2011年も、楽天が被災者へ歓喜の日本一を贈った2013年も、岸はライバルチームの西武に所属していた。2016年オフにFA移籍し5年目。「(2013年は)対戦相手として、東北の皆さんがすごく喜ぶのを見ていた。優勝することで、こんなに喜ぶ方々がいるんだと感じた」と振り返る。
「僕がというより、チーム一丸となって(地元ファンに)喜んで頂けるように」と肝に銘じて臨むシーズン。いかにも東北人らしく、口数は少なく、声も張らないが、胸に秘めた思いは誰よりも熱い。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)