藤原、安田に続く新たなブレーク候補…ロッテ・山口航輝が期待されるチーム事情
首脳陣の期待に応え、一気に一軍定着とブレイクを果たせるか
また、藤原は身体能力を生かした守備や積極的な走塁も持ち味としているが、山口の場合は打撃面が最大のセールスポイントになる。出塁率や盗塁といった数字が高かった藤原と、打率や打点といったポイントゲッターに必要な成績で上回った山口。それぞれ、選手としてのタイプに沿った成績を残している点も興味深いところだ。
さらに、中長期的なチーム編成という面でも、山口がブレークを果たせるか否かは重要な意味を持ってくる。藤原に加え、代走や守備固めとして1軍で活躍した和田康士朗外野手(22歳)、2軍で最終戦まで首位打者を争った高部瑛斗外野手(23歳)という2人の若手がいるとはいえ、荻野貴司(35歳)、清田育宏(35歳)、角中勝也(33歳)、福田秀平(32歳)と、現在の外野手の主力の多くは30代となっている。
加えて、それに続く年齢層の外野手に目を向けると、加藤翔平(29歳)、岡(29歳)、菅野(27歳)と、20代後半の選手が顔を揃える。さらに、外野手最年長である荻野と清田選手を除くと、20歳以上の支配下登録の右打ちの外野手は、岡と山口の2人のみ(加藤選手は両打ち)。すなわち、外野の若返りを図る上でも、山口が一本立ちするか否かは、大きなウエートを占めてくることが考えられる。
一塁手は打力が重視されるポジションなだけに、求められる打撃成績のハードルも、ほかのポジションに比べて高くなる。加えて定位置争いのライバルには、過去3年間にわたってチームの主軸を務めた長距離砲の井上晴哉内野手が存在。さらに、昨季はケガで39試合の出場にとどまった、NPB通算169本塁打のブランドン・レアード内野手も復活を期している。山口が開幕1軍に残るための競争は、これからより熾烈さを増してくることだろう。
これまで1軍出場がなかった立場から大きくステップアップする可能性を秘めているだけに、あとはこのままアピールを続け、そのチャンスを掴み取れるかどうか。若手の台頭が目立つマリーンズから、また新たな新星が生まれるか。若き4番が見せる思い切ったスイングに、今後も要注目だ。