藤浪ら撃破した公立の名将が10年ぶり聖地へ 21世紀枠・東播磨が狙う“大物食い”
「どこにも負けないものを身に着けることが自信につながっていく」
「手を出す、出さないボールを徹底していた。そして相手の隙を見逃さない。シンプルなことですが、それが出来るかできないか。高校野球に“絶対”はない。そこが面白いところでもありますよね」
下馬評では圧倒的不利とされる状況にも動じない。自チームには150キロを投げる投手やプロ注目の野手はいない。強豪私学を破る術は「それしかなかった」と振り返るが「チームの特徴を選手たちに伝える。一つのことをやりぬくことで、どこにも負けないものを身に着けることが自信につながっていく」と胸を張る。
だからこそ、試合中には「基本的に(自由に走っていいサイン)グリーンライトです」と、盗塁は選手たちの自己判断に任せている。東播磨の命運を握っているエース右腕・鈴木悠仁投手も「自分たちの野球をすれば勝てる。明豊さんは強いのは分かっていますが、相手うんぬんじゃない。負けるのは嫌いなので勝つイメージしか持っていません」と、はっきりと口にする。
甲子園では勝ち負けの他にも、今夏も見据えたインパクトを残すつもりだ。
「雷のように素早く、そして強い。今年のテーマはチームカラーも含めた“紫風迅雷”。走塁のコツは伝えているので、あとは覚悟を持ってやれるかどうか。選手たちには甲子園を堪能させてあげたい」
10年ぶりの甲子園に挑む公立の名将が超攻撃型野球でチームの甲子園初出場初勝利を目指していく。