最下位は「外国人不在が大きすぎます…」 日米通算234セーブ右腕がセを占う
中日は投手力、広島は「勝ちに飢えてきているはず」
CS圏内の3位は2チームの争い。特に昨年も上位に予想していたという中日に関しては口調も熱くなった。「昨年もいいところまでいって、途中でちょっと息切れしてしまいましたが、最後にいい形で盛り返していました。強みは投手力と球場ですね。ホームランが出にくい点を投手陣がうまく利用して、逆に打撃陣はそんな状況で点を取る作戦ができれば大きなアドバンテージになるでしょう」と予測する。
「野手は外国人次第ですが、ビシエドが早い時期に来日しているので心配はないでしょう。開幕投手に指名された福谷は、リリーフから先発になってまたひと皮剥ける気もしますし、大野雄の負担を軽減するという意味でも、面白い選択だと思います」
3位を争う広島は、リーグ3連覇時からの微妙な変化を指摘した。「メンバー的には強かった時期とそれほど変わらないと思いますが、当時に比べると、選手たちにがむしゃらさのようなものがなくなったというか、ガツガツしたところがなくなったように見えます。丸がいなくなったということもあります」と指摘したした上で、こう語る。
「菊池涼や田中広は年齢的にも一番いい時期ですし、鈴木誠という柱もいる。彼らはこの2年間、悔しい思いをしたと思うので、そろそろ勝ちに飢えてきているはず。投手陣も大瀬良や森下らがいますし、抑えに抜擢されるルーキーの栗林を周囲の選手がうまくカバーできれば、戦力的には上位に見劣りしないものがある。元気のいい河田さんもヘッドコーチとして復帰したので、選手が3連覇時のような気持ちを取り戻せば、また変わってくるのではないかと思います」
下位の2チームはヤクルトとDeNA。投打で外国人頼みになっている状況で、開幕からの影響が大きいことがその理由だと言う。「ヤクルトは先発が足りない状況でしたが、田口が移籍したことで、環境が変わってどれだけやれるかに注目しています。彼の加入で石川や他の左腕投手も刺激を受けているはずです。それから何と言ってもバンデンハーク。彼がどれだけ早くチームに合流できるかで、情勢は大きく変わると思います。奥川ら可能性のある選手も少なくないので、そこにも期待したいですね」。
野手では通算2117安打の内川が加入した。「内川はパワータイプの投手が少ないセ・リーグなら、もう一度3割を打てる力はあります。また、あれだけ実績のある右打者が加わることによって、近年はちょっと元気がなかった山田にもいい影響を及ぼすのではないでしょうか」
最下位予想のDeNAは開幕時にメンバーが揃わないことが全てのようだ。「ソト、オースティンの不在は大きすぎます。エスコバーを欠くのもブルペンには痛手になります。ケガからの復帰組でも、今永と東の両先発左腕の復帰がいつになるのか。メンバーが揃わないうちに開幕して負けが込んでしまうと、そのままズルズルいってしまう可能性も高いし、とにかくベストに近い陣容に戻るまで、どれだけ粘れるかが重要になると思います」
混戦が予想されるセ・リーグだが、小林氏の見解では優勝争いのAランクからB、Cランクと2チームずつに分かれる展開となるようだ。外国人の来日問題が一日も早く解決して、またどこが優勝するのかわからないようなペナントレースも見たいものだ。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)