「完璧でシーズンを迎えるのも気持ち悪い」ダルビッシュが見出す“ケガの功名”
周囲の期待に本音「自分はそういうのを考えるとだめなので」
2017年のレンジャーズ時代以来、2度目の開幕投手を任されるダルビッシュ。34歳で任される大役に「本当に光栄に思います」と素直に喜びつつ、本音も漏らす。
「みんなからしたら期待もいろいろあるでしょうけど、自分はそういうのを考えるとだめなので。1球1球集中していけたらいいなと思います」
確かに、新しく同僚となった選手たちの期待は大きい。試合前の会見に応じたウィル・マイヤーズ外野手は7年前の不名誉な思い出を交えながらこう言った。
「レイズにいた時、僕からメジャー通算500個目の三振を奪ったんだ。ちょっと前までは速い球で押すのが投球の潮流だった。今は、タイミングを外す球が打者封じにより効果的とされる時代になっている。打者はオフスピードの球を打てないと生き残ってはいけないんだ。だから今年からダルビッシュと勝負をしなくていいのは、嬉しいね。後ろで守っている野手はみんなワクワクするし、彼がどんな仕事をやってくれるのかを本当に楽しみにしているんだ」
レンジャーズ時代の2014年4月6日、ダルビッシュは401と2/3イニングでメジャー通算500奪三振に到達。ケリー・ウッドを抜き13年ぶりの記録更新を達成した。その餌食になったのが当時レイズにいたマイヤーズだった。
新天地パドレスのエースとしてメジャー10年目のスタートを切るダルビッシュ有は、すでにチームの士気を高める存在になっている。
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)