鷹・今宮から出た珍しきガッツポーズ 籠った3年間の苦悩と悔しさと今季にかける覚悟
狙い澄ましていた初球の真っ直ぐ、一振りで仕留めた先制2ラン
■ソフトバンク 8-2 ロッテ(26日・PayPayドーム)
ソフトバンクは26日、ペナントレース開幕戦となったロッテ戦に8-2で快勝し、5年連続で開幕戦を白星で飾った。球団タイ記録となる開幕戦4発が飛び出した一戦で号砲を鳴らしたのは、今宮健太内野手のバットだった。
初回だ。先頭の周東が中前安打を放って出塁すると、打席には今宮が立った。「基本的には開幕の1打席目の1球目は振りにいくと決めている」。常に狙っているシーズン初打席の初球。俊足の周東が出塁した。狙いは必然と決まった。「真っ直ぐ系だろうなと思いながら」。イメージ通りの真っ直ぐ。フルスイングで左翼スタンドへと突き刺した。
先制の2ラン。手応えは完璧だった。打った瞬間、今宮は一塁ベンチに目をやりながら、ガッツポーズを決めた。普段はあまり見せない本塁打での派手なアクション。「あまり(喜びを表には)出さないですね」と言う男が、喜びを爆発させた。
思わず飛び出したガッツポーズ。そこには、今季に賭ける男の覚悟が滲んだ。右肘、太もも裏、ふくらはぎ…。2018年以降、度重なる故障により離脱を繰り返した。2018年は99試合、2019年は106試合、そして昨季はレギュラー定着後、最少となる43試合の出場に終わった。試合に出られない辛さ、退屈さを嫌というほど味わった。シーズンを通して1軍で戦い抜くことに飢えていた。