3戦2発はともに“超難球”打ち…「私もそうだった」西武・辻監督が認めた森の天才性
3戦で2安打も「決して甘くないコースの球をフェアゾーンに通せている」
開幕3連戦で放った安打は、この本塁打2本のみ。打率は.222(9打数2安打3四球)に過ぎないが、森は「決して甘くないコースの球をフェアゾーンに通せているので、状態はいいと思う」と手応えを感じている。
一方で、周囲からは「打撃の調子がリードに影響するタイプの捕手」との声もある。一昨年は打率.329で首位打者に輝いたが、コロナ禍で難しい調整を強いられた昨季は一転して.251と低迷。同時に捕手としてリードにも悩み、岡田や柘植にスタメンマスクを譲るケースも増えた。
昨年8月27日の日本ハム戦では、途中出場して逆転され、その後に山川のサヨナラ打で再逆転勝ちを収めると、ふがいなさと安堵感から号泣した。ある意味で、昨季を象徴するシーンだった。今季開幕前に「自分が正捕手だ、という気持ちで引っ張っていきたい」と宣言した裏には、そういう経緯と決意がある。
打撃では、昨季は安打を欲しがるあまり当てにいっていたと反省。今季は「しっかりスイングすることを心掛けて、その中でボール球を見極められている」とうなずく。数少ない“強打の捕手”としてプレーするやりがいを問われると、「まだ開幕して3試合なので、わからない。シーズンを終えた時に、どう感じるかだと思います。優勝すれば心から喜べるだろうし、Bクラスならまだまだということになる」と表情を引き締めた。リーグ3連覇を逃した獅子軍団にあって、誰よりも悔しさを噛み殺し、リベンジを心に誓っているのがこの男だろう。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)