「1番下からのスタート」 将来の大砲候補、ロッテ5位の18歳が歩む“大田泰示への道”
最も変わったのはフォームより“意識”「ホームランを打ちたい欲を捨てた」
門馬敬治監督やコーチと話し合い、試行錯誤を繰り返した。最も変わったのは、フォームよりも打席での“意識”だった。
「長打を狙ったり、ホームランを打ちたいという欲が出てしまっていました。それを捨てたというか、欲を出さないで打席に入れたのが一番変わったことかなと思います」
打席で思い描くのは、低い打球やライナーを打つイメージ。すると自然と打率も上がり、ホームランも出るようになった。
高校3年の夏に行われた神奈川の独自大会決勝では、逆転の口火を切る適時打。「どうにか1本欲しいというところで、調子が悪い中でも、形が悪い中でも、ヒットを打てた。練習してきたことが出たんじゃないかなと。そこは自信になりました。これからに繋がる試合だったんじゃないかなと思います」。丸1年をへて、成長を実感。プロへの扉もこじ開けた。
目指す将来像に重ねる姿は、高校の先輩にあたる日本ハムの大田泰示外野手。「やっぱりプレースタイルですね。ホームランもそうですけど、一塁にヘッドスライディングしたり、ガッツポーズしたり、勝ちにこだわる姿勢というのが、こういう選手をお手本にしてやりたいと思いました」。
自らに言い聞かせるよう、何度も口にした言葉。「勝ちにこだわる」。地元の千葉に本拠を置くロッテに指名され、家族や友達の前での活躍を誓う。「試合で回ってきたら絶対打ってくれる。勝ちに、勝負にこだわれる選手になりたいです」。近い未来、幕張で試合を決する一打を放ってみせる。
○西川僚祐(にしかわ・りょうすけ)2002年4月19日、千葉県船橋市出身。18歳。小学1年時に野球を始める。中学では佐倉シニアに所属。東海大相模高に進学し、高校2年時の夏には甲子園に出場。高校通算55本塁打。2020年のドラフトでロッテから5位指名を受け入団。186センチ、98キロ。右投げ右打ち。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)