野村克也、山田久志、イチロー… パ70年で3人だけ、柳田悠岐が狙う“大記録”とは
過去の達成者3人はいずれも球史にその名を残す名選手
ここからは、過去にパ・リーグで通算3度のMVPを受賞した野村克也氏、山田久志氏、イチロー氏の3人が残した通算成績と、各選手の足跡をあらためて振り返っていきたい。
○野村克也氏
5度のMVP獲得というパ・リーグ最多記録を持つ野村氏は、通算9度の本塁打王、7度の打点王、1度の首位打者に加え、1965年には3冠王にも輝くなど、守備の負担が大きいと言われる捕手を務めながら、卓越した打撃力を誇っていた。また、1973年には兼任監督という立場で指揮を執りつつ、選手としても優れた成績を残してMVPを受賞。27年間にわたって現役を続けて数々の記録を打ち立てた、まさに伝説的な名捕手だった。
○山田久志氏
阪急黄金期のエースとして活躍した山田氏は、プロ2年目の1970年から17年連続で2桁勝利という驚異的な記録を残し、1975年からは12年続けて開幕投手を務めた。2度の最優秀防御率、3度の最多勝、4度の最高勝率と数多くのタイトルも獲得し、1976年からは史上最長タイとなる3年連続でパ・リーグMVPを受賞。20年間のプロ生活で挙げた284勝という白星は、アンダースローの投手としては史上最多の数字となっている。
○イチロー氏
1994年にレギュラーに定着すると、いきなりNPB史上初となるシーズン200安打の快挙を達成。同年には首位打者、最高出塁率に加えて正力松太郎賞も受賞し、自身初となるパ・リーグMVPにも輝いた。その後も圧倒的な活躍を続け、先述の山田氏と並ぶ3年連続のパ・リーグMVPを受賞。2001年にMLBに活躍の場を移してからも、史上最多のシーズン262安打、日本人初のMLB通算3000本安打といった金字塔を打ち立てている。
各選手の経歴を見てもわかるとおり、この記録を達成した3人は、いずれも球史にその名を残す偉大な選手ばかり。柳田が今後3度目のMVPを獲得することができれば、パ・リーグで一時代を築いた名選手として、NPBの歴史にその名を刻むということにもなるだろう。
柳田が記録している各種の指標を見れば、その実力が現在のNPBでトップクラスに位置することはもはや疑いようがない。近年は毎年のようにリーグ優勝争いに参加している所属チームの強さも相まって、本来の実力を発揮できれば今季もMVPは十分に狙えると言えるだろう。走攻守の全てでファンにインパクトを与える当代随一のアスリートのプレーからは、今季も目を離すことができなさそうだ。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)