試合前に一発芸、合言葉は「やったるで!」 履正社の背中押した“寄せ書きFAX”

橘田監督からの話を真剣に聞く履正社の選手たち【写真:喜岡桜】
橘田監督からの話を真剣に聞く履正社の選手たち【写真:喜岡桜】

無観客開催も宿舎に届いた寄せ書きのFAX「遠くても心は一緒に」

 初戦は、2019年の前回大会で準優勝したクラーク記念国際(宮城)に勝利。その後も、笑顔を絶やすことなく横浜隼人(神奈川)、学芸館(岡山)と強敵に打ち勝った。全日程無観客開催のため父母や先輩たちはネット配信での応援。しかしベスト4決定後、野球部の宿舎に全国大会で奮闘する“娘たち”へ宛てた寄せ書きがFAXで届いた。

「やったるでー! やったろうー!!!」
「画面越しにデカい声で応援してます!」
「遠くても心は一緒に応援しています!」

 A4用紙合計8枚にも及ぶ寄せ書きの後半には、昨年の大会が中止になり、選抜の舞台に立てなかった5期生からの寄せ書きも並んでいた。

 準決勝で対戦した大会2連覇中の神戸弘陵(兵庫)は、ジャイアンツカップ優勝投手・島野愛友利(新3年)を擁する優勝候補。3連覇阻止のため、履正社ナインはみっちりと島野の速球対策を積んできた。打撃練習はマウンドの1メートル前から投手に投げさせ、バッティングセンターでも汗を流した。試合当日はバットを短く持ち、好投手の攻略に成功。この試合まで温存していたエースの大向真央(新2年)は、完投勝利を収めた。

 そして2日の決勝戦。硬式野球では、男女とも春夏通して新潟県勢初の全国制覇を狙う開志学園が相手だった。

「笑って大阪帰るで!」

 橘田監督から選手に告げられた言葉に呼応するように、表情が明るくなる選手たち。試合開始の挨拶を終えると、ナインはそれぞれ笑顔で守備位置についた。

3点リードの展開も最終回に逆転許して準V「全員野球ができた」

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