最速152キロ導いた“1日7合”と恩師との二人三脚…ドラフト候補・森木大智の夢
中学でも指導してくれた浜口監督から、高校でも指導を受ける
高知高の浜口佳久監督も、森木の今後の姿に胸を膨らませている1人だ。出会いは、森木が小学生の時。高知県選抜チームでバーベキューをしていた森木に「練習に来てみないか」と声をかけてくれたのが、当時高知中で指揮を執っていた浜口監督だった。一度練習を見に行って、高知中進学を決めた。
中学3年時には、春、夏の全国大会で連続優勝を果たした。チーム全員で優勝するという目標を立て、チームの力を合わせてレベルアップしてきた、その過程が結果に繋がったと感じた連続優勝。森木にとってはこれまでの野球生活で1番嬉しかった。
この年、軟式球で中学生史上初と言われる最速150キロをマークし「スーパー中学生」として注目を浴びるようになった。春夏優勝という偉業を共に達成した最高の仲間と、もう1度頂点を目指したい。甲子園に行ってもう1度日本一になりたいと高知高に進学。森木が高校に進学するタイミングで浜口監督も高知高の指揮を執ることになった。
「大智がマウンドで投げているとこっちもわくわくするし、どんな選手になっていくんだろうという期待もするし、それはプロ野球の世界で自分たちだけじゃなく日本全国の皆さんに見てもらって成長を確認してもらえたらなと思います」
高知高では1年春の四国大会で公式戦デビュー。昨秋には自己最速151キロをマークし、順調に成長を続けきた。今では152キロまで到達。その成長の裏にあるのが、ともに歩んできた浜口監督の存在だ。
「力任せに投げているとか技術はまだまだだったけれど、体もすごく大きかったし、体のバランスや走る姿も良かったので、きっと伸びるなと思って声をかけました」
森木はそんな浜口監督を憧れの人で尊敬する存在だという。全国大会で春、夏連続優勝という快挙を成し遂げた仲間と恩師と、甲子園優勝を目指して歩んできたが、まだ聖地の土を踏むことはできていない。その目標を叶えるチャンスは、あと1回。今年の夏を残すのみとなった。
「この冬やってきたことを信じて、この夏は全員で熱く、全力で戦っていく。目指すべきは甲子園優勝なので、圧倒的に勝てるように頑張ります」
最近、森木は部屋に「感謝」という言葉を自分で書いて貼っている。小学生だった自分を見出し、6年間そばで見続けてくれた恩師への「感謝」を胸に、憧れの場所・甲子園で優勝し、恩師を胴上げするという夢を叶える。
(西村志野 / Shino Nishimura)