2戦連続QSで進化を示す菊池雄星 先輩・岩隈氏から授かった“立ち姿”の深い意味

“立ち姿”の重要性を深く知ったのは岩隈久志氏からの言葉

 軸足裏が一投を左右する――。本人だけが知るフォーム安定への“メルクマール”。その重要性を深く知り得たのは、今春からマリナーズの特任コーチに就任しキャンプで寄り添った岩隈久志氏からの言葉だった。

「岩隈さんに『タイミングとバランスを1年間通して大事にしていったら絶対にいいことが起きるよ』と言ってもらいました。シーズン中もしっかり反復をしながら、やっていきたいと思います」

 受け継いだ背番号「18」を背負っていた先輩からの言葉には深奥な意味が宿っている。2015年に地元シアトルでノーヒッターを達成した岩隈氏は、球速に捉われることなく、安定したフォームから繰り出す質のいい球で相手打者のバットの芯と軌道を外し、日米通算170勝を積み上げた。その岩隈氏が大切にし続けたのも“立ち姿”であった。

 菊池はあえて自分を突き放すように言った。

「この2試合はすごくいい形できていますけど、まだまだ僕自身は発展途上。野球がうまくなると思っていますし、うまくなりたいと思っています。そしてもっともっと完成度を上げていけると思っています」

 根拠のある自信を胸に、菊池雄星はメジャー3年目をひた走る。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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