12球団ワーストの15許盗塁 DeNAの最下位低迷は“走られまくり”にも一因
三浦監督も嘆く「できることを丁寧にやっていくように、再確認しないと」
さらに、佐藤輝に中前打を浴びたところで、ドラフト5位ルーキーの池谷蒼大投手がマウンドへ。すると、間髪入れず、続く梅野の初球に佐藤輝に二盗を許してしまう。完全にモーションを盗まれ、捕手の戸柱恭孝が送球を諦めたほどだった。
池谷はさらに1死一、三塁で打者・中野の2球目、その後の1死一、三塁でも打者・原口の2球目に、一塁走者に二盗を許した。池谷だけで3つ、平田を含めると1イニングに4つも盗塁を許したのである。
池谷は変則的なフォームの左腕で、今季5試合目の登板。三浦監督は「(走られた理由は)クイック(モーションが苦手なこと)だと思う」と認め「試合で解消していかないといけない」と語った。代わりっぱなからこれだけ走られたということは、対戦前からクセなどを研究されていたのだろう。
阪口や池谷のような若手だけではない。三浦監督が「浜口もフォームを盗まれていた」と嘆いた通り、9日の第1戦の初回にも開幕投手を務めた左腕が、1死二塁から近本に三盗を許し、直後にマルテに先制適時二塁打を浴びている。三浦監督は「バッターに集中するのはもちろん大事だが、走者にも気を配らないと。できることを丁寧にやっていくように、再確認しないといけない」と振り返った。
盗塁阻止はバッテリーの共同作業であり、守っている野手全員で注意を払うべきもの。さらに言えば、首脳陣が指導、徹底すべき問題とも言える。ここまでDeNAは12球団ワーストの15許盗塁。三浦監督が言う通り、苦しい時こそ「できることを丁寧に」を励行することが大事なのだろう。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)