高校中退、野球部未所属 異色の経歴を持つ元阪神右腕が目指すNPBへの再挑戦

リスタートから4年で掴んだプロへの切符「急に夢が近づいてきた」

 怪我の再発防止のため負荷の少ない身体の使い方を勉強し、高校卒業後に関西独立リーグ「06BULLS」のトライアウトを受験した。身長181センチ、体重は70キロにも満たない右腕が投じた直球は、自身が中学時代に投じた最速値を下回る最速128キロ。だが、再び野球ができるチャンスに高揚感を抱いた。

 06BULLS入団後、のちに韓国プロ野球の「KTウィズ」で活躍する洪成溶氏と出逢う。毎日つきっきりでトレーニングやキャッチボールの指導を行う洪に刺激を受け、必死に練習に取り組んだ結果、半年後には最速145キロまで球速がアップ。2014年オフに四国アイランドリーグplusのトライアウトを受験し、徳島からドラフト1位指名を受けるほどに成長できた。

「諦めずに少しずつ上のステージを目指して野球を続けました。そしたら徳島に来てから、プロ野球選手の夢が急に近づいてきました」

 入団1年目で徳島の開幕投手を勝ち取り、ソフトバンク3軍の千賀滉大投手と投げ合い16奪三振の完投。体力づくりや投球方法の改善に取り組み、球速は更に加速し150キロを超えた。2年連続で最多奪三振を獲得するなど、高い潜在能力を磨き上げついにプロ野球選手の夢を叶えた。

1軍選手を抑えられる投手へ、ボールを強く握る指の使い方とトレーニング

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