独立リーガーが見誤りがちな「現在地」 元四国IL理事長がポニーで説く“自発的な夢”
「プロ野球選手になる」「甲子園に出る」という目標は、本当に自発的なものか…
独立リーガーの多くは「目標がないわけでも夢がないわけでもない。むしろ夢の部分は明確だったりする」と坂口氏は話す。だが、往々にして見誤っているのが「現在地」だ。
「僕はいつも選手にこう説明していました。Googleマップで道を調べる時に何を入力するのか。当然、目的地を入力するけれど、現在地も入力しなければ道筋は見えてこない。君たちの目標はすごく正しいし、本気であることは信じて疑わない。ただ、君たちが今やっていることがその道筋に乗っているかは、傍から見ると疑問なことが多い。それはなぜかというと、多分、今の自分の立ち位置を見誤っているんじゃないかなって。
例えば、ステレオタイプに『プロになりたいです』『甲子園に行きたいです』と言う子たちに聞きたいのが、本当にそう思っているのか、達成した先に何があるのか、というところ。『なぜ甲子園なの?』『なぜプロなの?』という『なぜ?』を3段階くらい繰り返して答えられるんだったら、それはちゃんとした道筋が見えているし、自分の現在地を把握しているからなんです。だけど『周りの大人が言うから』『周りがみんなそうだから』『野球をやるからには当然』というのでは、自分の現在地が見えていない可能性もある。大人になればなるほど現実を直視しづらくなるので、中学生のうちから現在地を把握する習慣をつけておくことは大事だと思います」
子どもが掲げる「プロ野球選手になる」「甲子園に出る」という目標は、本当に自発的なものなのか。「周りの大人たちが誘導して夢を持たせている部分もあるんじゃないか。そこを解き放ったら、僕らが思っている以上の可能性を実現してくれるんじゃないかとも思います」と坂口氏は言う。