継承90%+「自分の色」10% 甲子園常連校に就任した新監督のチーム作り
静高最大の特徴は「考える野球」も…
静高最大の特徴は「考える野球」にある。練習から常に試合を想定し、無駄のない走塁や隙のない守備をチームに浸透させている。試合でも1つ先の塁を狙う意識や、失点を最小限に防ぐベストな方法を導き出す。今年3月まで13年間、チームを指揮した栗林俊輔前監督も「考える野球」を磨き上げてきた。2015年のセンバツでベスト8に入るなど、静高の監督として歴代最多の春夏通算7度の甲子園に導いた。
そのバトンを受けた池田監督はチーム作りについて、こう話す。
「目指すのは負けない野球。大きくチームを変えようとは考えていない。栗林監督が築いてきた隙のない野球を90%継承して、残りの10%に自分なりの色を出せていければと思っている」
池田新監督の色、その1つがベンチでの声だ。指揮官は静高の長所が時に弱点になると考えている。「選手たちは考える能力が高い。だからこそ、用心深くなりすぎることがある。選手たちがアグレッシブにいけるように、後ろから鼓舞するのが自分の役割」。比較的おとなしいイメージの静高に、新たな色を加えようとしている。
「アグレッシブにいけ!」
「ベンチから圧かけようぜ! 弱いよ、ベンチ」
掛川東戦でも、池田監督の声が合図となり選手たちが呼応した。「アグレッシブにいこうぜ」。これまでの静高ベンチではあまり見られなかった光景だ。