継承90%+「自分の色」10% 甲子園常連校に就任した新監督のチーム作り
選手には積極的に声かけ「選手には馴れ馴れしいと思われているかも」
池田監督は試合中、選手に話しかける場面が多い。積極的な走塁でアウトになった選手がベンチに戻ってくると「いいチャレンジ。試合の序盤で、ああいう走塁は相手にプレッシャーをかけられる」と他の選手にも聞こえる声で伝える。バッテリーや凡退した打者にも、ベンチで何度も声をかけた。
選手の呼び方も「池田流」だ。多くの選手を下の名前で呼んでいる。監督に就任してから、まだ3週間。しかし、常に結果が求められる伝統校では言い訳にならないと理解し「勝つためには短い期間で選手のことを知り、自分の考えを知ってもらわないといけない。こちらから積極的に動かないと。選手には馴れ馴れしいと思われているかもしれませんね」と笑う。
池田監督は静岡高OBで、当時は野球部の主将だった。進学した中京大では4年生で学生コーチとなり、指導者の道を歩み始めた。2001年から5年間は静岡高のコーチに就き、その後は別の高校で監督を務めた。2018年夏には島田商を率いて静岡大会準優勝、翌年にはベスト4と、甲子園へあと一歩のところまで近づいている。
掛川東に7回コールドで勝利し、夏の静岡大会にはシード校として臨む。甲子園に向けて1つ目のハードルをクリアし「試合数が変わってくるので、ホッとしている」と安堵した。と同時に、シード権獲得で満足できないことも分かっている。常に勝利を求められる伝統校の宿命を背負いながら、池田監督は新しい色を加えていく。
(間淳 / Jun Aida)