開幕ダッシュに成功の阪神 強みは巨人を上回る投手陣も16年ぶりVへの不安材料は?
巨人は岡本和が打たなければ「優勝はないと思います」
そんな阪神に対抗できるのは「やはり巨人しかいないのではないでしょうか」と言う。「監督、選手ともに経験値が高く、新型コロナで離脱した選手も戻ってきてベテランと若手も噛み合い始めています。原監督は選手の調子や対戦相手を見ながらスタメンをうまく決めています。何より、監督も選手も勝ち方を知っているのが強みではないでしょうか」。
ただ、現状では万全に近い阪神に対して、巨人には不安があるという。
「巨人は先発投手の整備が重要になると思います。菅野はもちろん、高橋や畠、今村らが頑張っていますが、先発の陣容を見るとやはり阪神の方が上だと思います。(2軍調整中の)戸郷が昨年くらいの成績を残さないと3連覇は難しくなってくるでしょう」
野手では出遅れた4番打者の名前を挙げた。「岡本和次第だと思います。直球に振り遅れて、変化球に泳いでしまうという状態が続いていました。ただ、ここ数年の実績を考えればそのうち打ち始めるでしょう。4番が打ち始めるとチームも乗ってくる。とにかく、岡本和が打たなければ巨人の優勝はないと思います」。岡本和は27日のヤクルト戦(神宮)で4安打の固め打ち、28日の同カードでも2試合連続弾を放ちリーグトップの24打点とした。ここからさらなる上昇気流に乗れるか注目される。
阪神と巨人のチームカラーは対照的だとも指摘する。「巨人は新外国人2人(ジャスティン・スモーク内野手、エリック・テームズ外野手)が例え機能しなくても、原監督はなんとかうまくやると思います。手薄な投手陣とは対照的に野手の層は厚いですから。逆に阪神は野手の層は決して厚くない。レギュラークラスに故障者が出ると厳しい状況になるかもしれません」。テームズは“デビュー戦”となった27日のヤクルト戦で右アキレス腱断裂の悲劇に見舞われたが、他の選手でカバーすることは可能とみている。
投手の層が厚い阪神と、野手の層が厚い巨人。今後どちらかが抜け出すのか、そこに他球団が加わってくるのか。いずれにせよ今季のセ・リーグは面白い。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)