石田がDeNAの救世主となれる理由 手薄先発陣と“勝利の方程式”をつなぐ存在
ファーム調整中の今永、ロメロは1軍合流へ順調
石田自身はお立ち台で「開幕してから、ふがいない投球が続いていた。結果が出てうれしい」と感慨深げに語った。昨季は中継ぎで50試合に登板し、防御率2.53の好成績。ところが今季は開幕から4試合連続失点で、計3イニング8失点に上った。それでも「ボール自体は悪くない。使い方が良くないだけ。慎重になり過ぎている」と見た三浦監督の信頼は揺るがず、徐々に復調。指揮官はこの日の投球を「大胆に投げた。(開幕直後の)悔しさをバネにして修正してくれた」と称えた。
DeNAは終盤の7回をエドウィン・エスコバー投手、8回を山崎康晃投手、9回を守護神・三嶋一輝投手が抑えるのが必勝パターン。今季は3人とも安定しているが、先発投手陣が手薄で、そこまでたどり着けないケースが多かった。そこで重宝されるのが、石田や国吉佑樹投手のようにロングリリーフが利き、先発と勝利の方程式をつなぐことができるタイプというわけだ。
首脳陣が待望する今永は、4月28日のイースタン・西武戦に先発して7回100球4安打9奪三振2失点の好投。コロナ禍で来日が遅れた新外国人右腕フェルナンド・ロメロ投手も、5月2日のイースタン・楽天戦に先発して5回2/3、87球で2安打3四死球無失点に抑えた。2人とも1軍合流へ向け、着実にステップを踏んでいる。一方で、石田も2016年に25試合先発し9勝4敗、防御率3.12をマークするなど経験は豊富。場合によっては石田が今後、先発を掛け持つ可能性もある。DeNA浮上のキーマンの1人だ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)