“送球を顎で受けた男”西武今井の覚醒 オリ指揮官脱帽「かなりのレベルの投手に…」
速球は常時150キロ超「カットボールも有効に使えた」
■西武 6ー2 オリックス(5日・メットライフ)
西武・今井達也投手は5日、本拠地メットライフドームで行われたオリックス戦に先発し、8回途中6安打4四球2失点。相手先発の山本由伸投手との“同い年対決”を制し、今季2勝目(2敗)を挙げた。防御率も同日現在、チームトップでリーグ5位の2.39。大器がいよいよ開花しようとしているのか。
「相手が同級生の(山本)由伸で、前回勝てなかったので、今日は絶対に由伸より先にはマウンドを降りたくない気持ちでした」。試合終了後、お立ち台に上がった今井はそう明かした。4月21日に敵地・京セラドームで対戦した時には、7回4失点で敗戦投手。8回2失点で勝利投手となった山本と明暗を分けていた。
プロでの実績では、一昨年に最優秀防御率、昨年も最多奪三振のタイトルを獲得した山本に水を空けられているが、今井とて夏の甲子園優勝投手で、潜在能力は勝るとも劣らない。2度続けて直接対決で負けるわけにはいかなかった。
速球は最速155キロで常時150キロを超える。「有効に使えた」というカットボール、チェンジアップ、カーブなど変化球の精度も高い。今季リーグワーストの与四球27が示すように制球難が最大の課題だが、この日は7回までわずか1四球。「なんとか8回まで、あわよくば完投してくれれば」という辻発彦監督の親心で今季初めて8回のマウンドに上がると、疲労のためか一気に3四球を与え、2死満塁となった所で平良海馬投手に後を託し降板した。一方の山本はプロ入り後自己ワーストの10安打を許し、5失点(自責点4)で7回途中降板した。