本塁打1本も、貢献度は10本のマーティンよりも上…セイバー指標で選ぶパ月間MVPは?
新人では3投手が奪三振率9超、楽天早川のK/BBは8.00
月間MVPルーキー賞を設けるとしたら楽天の早川隆久を推挙することになるだろう。
早川隆久
登板5、31回2/3、防御率2.56、QS率60%、被本塁打2、奪三振率9.09、K/BB8.00、被打率.246、被OPS.622 WHIP1.07
伊藤大海
登板5、32回、防御率2.25、QS率100%、被本塁打3、奪三振率11.53、K/BB3.15、被打率.211被OPS.625 WHIP1.16
鈴木昭汰
登板5、29回1/3、防御率2.45、QS率60%、被本塁打1、奪三振率9.51、K/BB2.21、被打率.194被OPS.554 WHIP1.16
3投手とも奪三振率が9を超えており、奪三振能力の高さが伺える。特に伊藤は初登板から23イニング連続奪三振のNPB新人記録を打ち立てた(1980年の木田勇に並ぶ)。また、早川は四球4でK/BBは8.00。これは山本由伸を超える安定感を示している。
上記3投手に加え、宮城大弥も新人王有資格選手である。この4投手の今後の活躍にも注目だ。
鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。